ハイビジョンカメラ開発秘話
2002年、JAXAとNHKがハイビジョンカメラを衛星に搭載することを決めたものの、技術的困難さからこれを引き受けるメーカーがありませんでした。 そんな折JAXAから明星電気にハイビジョンカメラの開発ができないかとの問い合わせがあり、「できなくはない」と回答したところから、ハイビジョンカメラ開発の苦労が始まりました。
カメラは池上通信機、レンズはフジノン、画像圧縮技術はソニーと各社の製品を当社が取りまとめ、ハイビジョンカメラを組み立てました。
しかし、地上で使える製品でも宇宙で使用できるようにするためには、真空・振動・熱・放射線などの厳しい条件をクリアしなければなりません。また、データの保存や送信など応用技術も必要であり、開発は試行錯誤の連続でした。2週間連続でクリーンルームに泊り込み、作業をしたこともありました。
その苦労の甲斐あって、宇宙に上がった「かぐや」からのハイビジョン映像は素晴らしく、その映像を見るたびに苦労した日々を懐かしく思い出します。
ハイビジョンカメラはじめ8機種の観測機器を開発した私たちの技術力に誇りを感じています。